Concept コンセプト
亥の追い続けるもの
はるか昔、世界を駆け巡る小国、琉球王国があった。
青い海に青い空、心地よい風が吹き、特異な文化をもった小国である。
遥か海の彼方には、ニライカナイという、理想郷があると伝えられていた。
時代の流れとともに、大和の世・アメリカ世そして又、大和の世と移り代わり、独自のチャンプルー文化を構築していく。
ニライカナイにある住宅とは、どういう物なのか?
きっと自然と上手に融合しているのだろう。
沖縄の風の流れ、ティーダ(太陽)の輝きそして空と海の青さ、
降り注ぐ群星達・・・
建築…その夢を追い続けて…
無の世界から有の世界へ、そして無限大の宇宙へ
今、一つの小さな空間の融合が、大きな宇宙を形成していく、そこには『生』があり、
『自然』があり、『真実』があり・・・
少しずつ変化していく、未来に向けて・・・
点から線へ、線から面へと広がっていく建築空間を大切にしたい。
〇□△の話
物を表現する基本形として〇□△があるように思える。身の廻りを見渡すと、必ずと言って良い程その形が存在する。〇は、優しさ・安心感を表現してくれる。□は、堅実さ安定感を表現してくれる。△は、鋭さを表現してくれる。建築を表現するときも、その基本形の融合体となる。 この基本形を崩していくと更に様々な形が生み出されてくる。
だから形っておもしろい だから建築っておもしろい だから…
亥の由来
幼き頃、父が、木工所と建築業を営んでいた。
あれは確か、小学校低学年の頃だったと記憶している。
きっちりとした趣きで、ちょっと偉そうな男と父が話している。が、なぜか妙に父の腰が低いのである。現場では、父が一番偉いのだ、と思っていたが、どうやら私の勘違いであった。この偉そうなやつが、建築士であった。沖縄では、住宅と言えど工務店主流ではないのだ!アメリカ的要素が残りarchitectが、現場の頂点に起つ。それだけ、責任もセンスも要求される仕事だ。
あれから十数年・30歳で同級生3人と設計事務所を立ち上げ、35歳で建築工房亥を設立した。
巷では、横文字名が流行出した最中、事務所名の模索に入る。
偏屈物の私は、時代に逆行しあえて漢字名に拘った。
私の干支「亥」のなりたち文字「」が気に入り亥(ガイ)と命名する。
「亥(いのしし)十二支の第十二番目・時刻は、午後九時~十一時・方位は、北北西」
何時までも「honest(誠実)ガイ」であれ。
何時までも「pure(純粋)ガイ」であれ。
そして、何時までも「nice(ナイス)ガイ」であれ。